カード印刷専門店が考える、小さなお店の会員カード活用術

2017年5月23日 3:21 pm Published by

はじめに 

財布にレシートやら、領収書やら、割引券やら、どこかでもらったカードが溜まってくるとあなたはどうしますか?

必要なものと、必要ないものに分けますよね。
そして、もらったカードの9割は一か月以内にゴミ箱行きではないですか?

「最近どこのお店もメンバーズカードやポイントカードを作ってお客様に渡しているなぁ」
「自店オリジナルのカードがあったらカッコイイよなぁ」
「よし!ウチもちょっと作ってみるか!」

みなさんのお考え、よく分かります。
でもここで一度考えなければならないことは、

そもそもメンバーズカードやポイントカードって何の為に作っているの?

ということです。

この記事を読めば、あなたのお店のカードは「ゴミ箱行き」などという悲しい末路は免れます。
そしてお店の売上に貢献してくれるピカピカの販促ツールになってくれるでしょう。

プラスチックカード印刷専門店、バズ・プランニングが考える会員カードの活用術についてご紹介していきます。

【想定読者】
会員カードを活用して利益を上げたいとお考えのサービス・小売の中小規模店舗オーナー、マネージャー

※本稿では便宜上、会員証、メンバーズカード、ポイントカードの総称として“カード”と呼びます。

飲食店オーナーA子さんのケース

A子さんは飲食店を営むオーナー。従業員を3人雇っている。
オープンから3年が経ち、商売もなんとか軌道に乗ってきたところで、A子さんは販売促進の企画をあれこれ考えていた。

他店との差別化!これがテーマだった。
そこで、A子さんは思いつく。

「そうだ!会員カードを作ろう!」

さっそく従業員に話してみると、

「いいですね!会員って、なんだか特別感が出ますよ!」

Bさんが乗ってきた。

「いつも財布の中に入っていれば、何かの時、ふとウチのお店を思い出してくれますもんね!」

Cさんが続く。

「でも、どんなのですか?会員カードって?」

腹の中では「私は料理ができればそれで良いよ」と思っていたDさんがA子さんに訊く。

「ウチのお店のイメージにピッタリの素敵なカードを!高級感を出したいから、やっぱり紙じゃなく、プラスチックカードがいいよね。
色はメタリックなシルバーにして、ロゴを入れるの。クレジットカードみたいな浮き出し文字で会員番号を入れたら完璧じゃない?」

A子さんはもうノリノリである。

A子さんはさっそく印刷会社に頼み、1枚あたり約300円の出来栄えの良い会員カードを500枚作成した。15万円以上の販促費をかけて・・・。

このA子さんのお店のケース。
A子さんはまだ自分の失敗に気付いていません・・・。

クオリティの高いカードを作れば、それが他店との差別化、リピート率アップにつながる販促ツールとして機能すると考えているのです。

どのようにカードの運用をするのか?
カードを販促ツールとして使う本来のメリットを見失っているのです。

結果、このA子さんのお店のカードはどうなったでしょう?

お客様は高い確率でこのカードをゴミ箱に捨ててしまいます。

理由は簡単。

お客様にとっても、お店にとっても、あまり意味のないカードだからです。

カードは販促の役に立たないのか?

巷には豪華なカードが溢れています。
私たちの元にも、「ゴールドカードの様にしたい」とか、「ブラックカードの様にしたい」という要望が多いのです。

これらのカードは、エンボスと言われる浮き出し文字が刻印されていたり、金銀の箔押しがしてあったり、メタリックの色を使っていたり、とにかく豪華な出来栄えのカードなのです。

多くの方は、普段からこの様なカードを目にされているので、こぞってデザインや装飾性にこだわったカードを求めます。

A子さんの様に、カードのクオリティやセンスで他店との差別化を図ろうとし、そこでもう「カードを活用した販促」を完結させてしまいます。

要するに、カッコイイカードを作って満足してしまっているのです。

しかし、よく考えてみてください。
クオリティの高いカードをお客様に配っただけで、それが販促につながると思いますか?

答えはノーです。

カッコイイカードを貰ったお客様は、最初こそ「おおっ!」と感動されるかもしれません。
しかし、そのカードを持っていても、A子さんのカードの様になんのメリットもなければ、お客様はどうするでしょう。

ポイなのです。

ですから、多くの場合、お店はお客様に提供するメリットとして、カードに割引の役割を持たせます。
しかしカードの役割が割引だけだとすると、紙でできる物を、わざわざプラスチックカードで体裁良く作った「ものすごくコストの高い割引券」ということになります。

お客様は「割引券」という概念でそのカードを認識するでしょう。
そして、しばらく行かないだろう、もう行かないだろう、と判断された「割引券」はいとも簡単にゴミ箱に捨てられるのです。

「今度来てくれたら割引しますよ」という受け身の姿勢しか取れないのに、「ものすごくコストの高い割引券」を作るというのはもったいないことなのです。

かけるコストと、期待している効果が見合わない。
ゴミになった上に、本来想定していた販促の役にも立たないということになりますね。

実はカードで割引券を作るということを大手チェーン店などでは行っています。

これは集客の多さと、一度に大量カードを作る事で1枚あたりのコストを下げていることで可能になっています。
同じ店で何枚も同じポイントカードを貰った経験があなたにもありますよね。

このことが、誤解を招いているような気がします。中小規模店舗と大型店舗では販促方法が異なるように、カードの使い方も変えなければなりません。

中小規模店舗の会員カードは受け身ではなく、能動的な販促に使ってこそ意味があるのです。

私たちは、使い方さえ間違わなければ、会員カードは最強のコミュニケーションツールになり得ると考えているのです。

カード活用販促の3つのダメパターンとは?

多くの印刷会社は、お客様の要望通りの豪華なカードを喜んで作ります。
装飾にこだわったカードの方が単価も当然高いからです。

実際お客様に、「どのように運用なさるおつもりですか?」と尋ねる印刷会社は多くないと思います。
チラシなど、広告のうんちくをたれるは人たくさんいても、カードのうんちくをたれる人は少ないでしょう。

そんな訳で、巷に豪華なカードは溢れていても、運用のノウハウまでに考えが及ばないばかりに、作ってはみたものの、販促ツールとして機能する事がないまま、その役割をゴミ箱で終えるカードがいかに多いことか!

 

告白します。

実は私たちも以前は、お客様の要望通りのカードをそのまま作っていました。
しかし、ある時気付いたのです。

カード印刷の依頼を受けたお客様からのリピートが極端に少ない・・・。
不思議に思い聞き取りをすると、

「最初は良いと思って作ってみたけど、あまり効果がないような気がして会員カードを渡すのをやめちゃった。」
というお客様がとても多かったのです。

さらに、どのように運用していたのか伺うと、カードをうまく使いこなしていない現状が分かりました。

お店の悩みはこうでした。

  1. お客様がカードを持って来ても接客に活用できない。
  2. DM発送の為の名簿集めとしてしか活用できていない。
  3. お客様がカードを持ってきてくれない。

お店側の悩みに対してお客様の感じていることは次の通りでしょう。

【お客様がカードを持って来ても接客に活用できない】に対して

「何回もこのお店来ているけど、店員さん私のこと分かっているのかな?未だに領収証の名前を聞いてくるし・・・いい加減に覚えておいてよ」

【DM発送の為の名簿集めとしてしか活用できていない】に対して

「もう、5年も行ってないお店からまだDMが来てるよ・・・。うっとうしいなぁ」

【お客様がカードを持ってきてくれない】に対して

「このカード、持たされても意味ないな。」

まとめますと、カード活用販促の3つのダメパターンが浮かび上がります。

(1)メリットなしパターン

お客様がカードを持って来ても会員としてのメリットを提供できない。
例えば、新規客であっても、会員であるリピーターであっても、画一的な接客とサービスの提供しかできないパターン。

(2)とにかく送るパターン

顧客名簿を手に入れた後は、ひたすらリスト全件にDMを発送する。
年々お客様の状況が変わってきているのにも関らず、お店の都合で送り続けるパターン。

(3)渡して終わりパターン

ただご利用頂いたお客様に渡しているだけで販促に活かせていない。
お客様の個人情報を頂くこともしない、バラマキのみ。

この様な3つのダメパターンが、「販促としてのカード導入」が苦戦する原因なのです。

このことは、まさにゴミになっていったカードたちが私に気付かせてくれました。
かわいそうなカード達に「カード塚」でも建ててあげたい気持ちです。

そして、私がこの記事を書こうと思った原点はここにあるのです。

小さなお店こそカードを上手に活用して欲しい

私たちにプラスチックカードの作成を依頼されるお客様は皆、冒頭に登場したA子さんのように、自分のお店のオリジナルカードを作るにあたって、大きな期待を持っています。

出来栄えの良いカードができればと、決して安くない費用をかけてカードを作るのです。

カードが出来上がり、納めた時には大変喜んでくださいます。
お客様が喜んでくだされば、私たちも嬉しいですし、仕事にやりがいも持てます。

ところが、カードを作られたお客様のほとんどが、再び私たちにカード作成を依頼されることはありませんでした。

お客様に聞き取りをしたことは述べましたが、そこでお客様に言われた言葉。

「高い経費かけてカード作ったのに、無駄になっちゃったな・・・」

この言葉は私たちにとって大変ショックでした。

納めた時には喜んで頂いたのに、その後の活用の提案が不足しているが為に、結果的にお客様の期待を裏切ってしまっていたことに気が付きました。

カード印刷に長く携わり、愛着を持って作った何百万枚ものカードが、お客様に満足して頂くことがないまま捨てられていくという現状を知り、私たちは思いました。

「私たちの仕事はただゴミを増やすだけの仕事なのか・・・?」
「いや、そんな仕事でいい訳がない!」

カード印刷のプロであるだけではなく、カード活用術提案のプロになろうと思った瞬間でした。
それでこそお客様に満足して頂ける仕事ができると思ったのです。

その後私たちは、カードを作るだけではなく、カードをうまく活用するしくみ、ノウハウを蓄積することを始めました。

カード活用術提案のプロとして、私たちと同じような中小規模のお店に、もっとカードをうまく販促に活用して欲しいという思いを強く持っています。
大企業にはマネできない強みが、私たち中小にはあるのだ、という思いが強いのです。

この記事を、カードを作ろうとされているたくさんの方に読んで頂ければ、カードに対する間違った認識を払拭し、損をしない、本当にお店の繁栄につながる効果的な活用をして頂けると思ったのです。

では、参りましょう。
次からはダメパターンの打開策と、私たちの強みを生かしたカード活用法【実践編】です!

カードをピカピカの販促ツールする方法

ここからはカードが最強のコミュニケーションツールになり得る具体的な活用方法をご紹介します。
一体どうしたらダメパターンを解消し、カードがピカピカの販促ツールとして機能するのか?

まずは結論から申し上げましょう。
カードをピカピカの販促ツールにする方法・・・。

それは「カード作成と同時に顧客カルテの作成をする」ことです。

これは、「お客様の顕在化をする」ということです。
つまり、カードの作成の際にお客様の個人情報を頂くことで、
「ウチのお客様にはドコのダレソレさんがいて、ウチとどんなお付き合いをしてくださっているのか分かる状態」にするということです。

前述した、会員カードが失敗するダメパターン3つ

  • (1)メリットなしパターン
  • (2)とにかく送るパターン
  • (3)渡して終わりパターン

実は3つに共通して欠けている点がこの顧客カルテの作成であり、これをしないということはカードを作る最大のメリットを放棄しているということなのです。

顧客カルテとは?

カルテという言葉は病院などで聞き馴染みがあるのではないでしょうか?
顧客カルテとは、お客様の個人情報や、いつ来店されて、何を購入されたのか、という顧客履歴を管理するものです。

イメージとして分かりやすいのは、美容室、マッサージ店、エステサロンなどでの使用例です。

これらの業界にはもともと、顧客カルテを管理する文化があります。
彼らはお客様がいつ来店され、どんなサービスを受け、どのような特性があるのか知る必要があります。

そして彼らはお客様ひとりひとりに目を向け、より顧客満足度の高い提案をすることで客単価やリピート率を上げてきました。

最近、このようにお客様ひとりひとりの履歴を残して、顧客情報を管理するという考え方を取り入れる小売、サービス業が現れ始めました。
小売、サービス業が飽和状態で商品の差別化が難しい中、お客様ひとりひとりに対して、細かい販促やサービスの提供をすることで、他店との劇的な差別化を図っているのです。

一部の、紳士服店、セレクトショップ、ペットショップ、ワインショップ、ビジネスパーソン向け高級飲食店など専門性の高いお店で効果を発揮しています。

顧客カルテと聞いて、なんだか難しそうと思われるかも知れませんが、書式はとてもシンプルな物です。
顧客カルテの例として、こちらの書式をご覧ください。

顧客カルテサンプル
これは、顧客の基本データと、購入履歴を一表にしたタイプです。
入会申込書に書いて頂いた情報を元に、基本データとして、入会日、会員番号、お客様名、性別、生年月日、年齢・年代、住所、電話番号、メールアドレス、備考として、その他の情報を顧客カルテに書き込みます。

さらに、来店日時と購入された商品、金額、接客時の会話や気付いたことなど、時系列で書き込んでいきます。
加えて、いつどんなDMを送ったのか、という履歴を残しておいても良いでしょう。

たったこれだけで、顧客カルテの出来上がりです。後はリングファイルに閉じていくだけ。

さぁ、準備はできましたか?

顧客カルテを使ったダメパターンの解決法

ではさっそく、顧客カルテを使ったダメパターンの解決法に参りましょう。
どれも簡単に実施できる内容ばかりです。

(1)メリットなしパターンの解決法

お客様がカードを持って来ても会員としてのメリットを提供できない。例えば、新規客であっても、会員であるリピーターであっても、画一的な接客とサービスの提供しかできないパターン。

〈解決策〉

カードと顧客カルテを活用して、お客様の名前をお呼びしましょう。

商売において、お客様のお名前を覚えるのは大切なことです。カードはお客様のお名前を覚えるのにも役に立ちます。
名前が分かるお客様がご来店されたら、顧客カルテを探し確認します。

顧客カルテを参考にすることで、購入商品や好みなどが把握できるので、きめ細かな気遣いや、前回購入商品に関連付けた提案ができるからです。

「○○様、先日お買い上げの△△はいかがでしたか?」
この一言がお客様には効きます。「ここは私の贔屓の店」と思って頂けるでしょう。

お客様の名前を呼べるお店というだけで、他店との差別化は十分図れます。
販売員が自分の名前はもちろん、好みや以前購入した物を分かってくれている。そしてそれに即した最適な提案をしてくれる・・・。
これは、値引き等の会員優待以上に、顧客満足を高めることにつながります。

もし、お名前が分からなくても、カードを提示して頂いた時に、
「○○様、いつもありがとうございます」の一言をさりげなくお伝えするだけでも、お客様の感度は上がります。

「おっ。私も常連か!」
あなたのお店を気に入って利用してくださっているお客様ほど、このような気遣いが響くのです。

(2)とにかく送るパターンの解決法

顧客名簿を手に入れた後は、ひたすらリスト全件にDMを発送する。年々お客様の状況が変わってきているのにも関らずお店の都合で送り続けるパターン。

〈解決策〉

顧客カルテの更新と、顧客情報を活用してDM対象者の絞り込みをしましょう。

たまたま一度だけ行ったお店から、何年も行ってないのにDMが送り続けられている。という経験があなたにもあるのではないでしょうか?

顧客情報をDM販促に活用する場合の多くは、一番初めに取得した情報をそのまま使い続けるケースが非常に多いのですが、ここで問題になるのが、その情報がお客様の状況の変化に全く対応できていない点です。

年月を経ればお客様の状況も変化していきます。独身の方が結婚されたり、お子様が生まれたり、となれば自然と興味の対象も変わってくるはずです。
また、転居など物理的な要因や、店に対する不信感から足が遠のいているというケースも考えられるでしょう。

経年変化に対応できないリストを使い続けると、DMの反応率は悪くなる一方です。

しかし、顧客カルテを作成しておくと、お客様がカードを持ってご来店された時に、カルテの内容を更新(加筆修正)する事ができます。
お客様の来店日時と購入された商品、金額、好み、趣味、家族構成、接客時の会話などを接客後に書き込んでいきます。

すると、来店間隔や、来店頻度、購入金額からある程度の仮説が立てられるようになるのです。

例えば、来店回数が1回で、最終来店日が2年前となれば、そのお客様はお店に対してあまり関心がないという事になり、今後積極的に販促をしても効果は薄いと判断できます。

逆に、来店頻度も購入金額も高いお客様の来店間隔が、1年も開いているとなれば、転居などの物理的理由や、最悪の場合、お店に対する不信感を持ってしまったと考えられ、ご機嫌伺いなどフォローの必要があると判断できます。

もっと言えば、お客様の来店間隔や、来店頻度、購入金額を把握することで、セールの内容やDMの内容を工夫することが可能になります。

常に新鮮な顧客情報を管理する事で、顧客リストの取捨選択が可能となり、より効果的な販促になるというわけです。

カード発行→顧客情報管理→的を絞ったDM販促

これは、大きな集客を見込めない中小規模店舗において、無駄な玉を打つ必要が無くなり、また、反応率も上がるという、費用対効果の高い販促戦略と言えます。

(3)渡して終わりパターンの解決法

ただご利用頂いたお客様に渡しているだけで販促に活かせていない。お客様の個人情報を頂く事もしない、バラマキのみ。

〈解決策〉

いくらでも新規客数は取れる!という方以外は、まず顧客カルテの作成から始めましょう。

顧客カルテを作成することで得られるメリットは、ここまで読んで頂いた方ならすでにご理解頂けたと思います。是非取り入れて頂きたいと思います。

「お客様ひとりひとりに目を向け、一時的ではない、末永いお付き合いをさせて頂く」
これは、サザエさん宅の勝手口に御用聞きに来る三河屋さんのような、昔ながらの商売の定石なのですが、世の中が便利になり、大型店舗の台頭や、商品やサービスの情報の氾濫により、忘れられつつあるものです。

また、コミュニケーションが希薄になりつつある現代。お客様との関係作りは容易ではありません。
そこで、一枚のカードがコミュニケーションのきっかけを作ってくれるのです。

カードが生み出す繁盛店の好循環

カードというきっかけから顧客カルテを作成し、「きめの細かい接客」と、「細分化された販促」ができるようになると、下図のような好循環が生まれます。

繁盛店サイクル

顧客満足度アップ→リピート増加→既存顧客のファン化→口コミ・紹介の発生→繁盛店

カードが最強のコミュニケーションツールになるという意味がお分かり頂けましたか?

カードを販促に活用する、ということは、お客様ひとりひとりに目を向け、積極的に、能動的に関わっていくということなのです。

繁盛店の会員カード活用テクニック

ここからは繁盛店のカード活用テクニックをご紹介します。
「これはウチでも取り入れられそうだな」という物があれば是非お試しください。

近年は対顧客のプロモーションはSNS活用が花盛りではありますが、ここでは普遍的な内容を事例としてまとめていきます。

―入会編―

せっかくカードを作って顧客管理をしようと思っても、会員が集まらなければ何も始まりません。
入会を促すテクニックをご紹介します。

(1)リピート率が上がる入会のおすすめ

新規のお客様に対しては、接客終了後カードの発行をお勧めします。
スタッフの接客やサービス、提案の内容が良く、コミュニケーションが良好に取れると、お客様の満足度が高まり入会率も上がります。

接客技術に自信がない場合は、入会特典や会員特典を名目に入会をお勧めすると良いでしょう。

ただし、その場合入会率は上がりますが、リピーターになる確率がさがることは留意しておく必要があります。

なぜかというと、入会申込書を書いて頂く時に、

「あなたにはまた特別なご案内を差し上げたいので、是非こちらにご記入下さい」

というお誘いで入会して下さるお客様と

「次回から割引にご利用できるカードをお作りしますので、ご記入下さい」
「ただいま、ご入会頂くと○○を差し上げます」

というお誘いで入会して下さるお客様では、お店や、スタッフに対する好意的な感情の度合いが全然違うのです。
多くのお客様に「今後このお店とお付き合いしても良いな」と思って頂けるような、第一接客を心掛けたいものです。

(2)アンケート形式の入会申込書

アンケート形式の入会申込書を作るのは入会率を高めるのに効果的です。
入会申込書という体裁よりも、お客様の心理的負担は軽いのです。
「お客様の声」も集める事が出来て一石二鳥です。

個人情報取り扱いのポリシーを明記した上で、ご案内を希望するorしないのチェックボックスを設けておくとトラブルになりません。

(3)店内POPで会員優待を告知

レジ前や店内に、会員カードの存在や優待の内容を告知するPOPを設置しましょう。まず認知して頂く事が大切です。
お客様の方から入会の希望を頂ける可能性も高まります。

―顧客管理編―

着実に集まる顧客情報を活用して、新規顧客に積極的、能動的にアプローチをし固定客化を促すのも顧客管理の一環です。
顧客へのアプローチテクニックをご紹介します。

(1)お礼状の発送

入会して頂いたその日にお礼状を発送します。お店を利用した翌々日にはお客様の元に届くので、お店の印象を残すことができます。
あくまでもお礼状なのでここで売り込みをしないようにしましょう。
売り込みをするとせっかくのお礼状がセールスだと感じられてしまいます。

(2)お店の紹介レター発送

入会して頂いてから、2週間以内に発送します。ここではお店の紹介や、オーナーの想い、スタッフの紹介などを盛り込んだレターにすると良いでしょう。
お店が表情を見せることで、お客様も表情を見せてくださいます。
このレターで「初回来店時」、「お礼状」に続き、3度目のお客様とのコンタクトになりますので、お客様にお店の記憶の定着を促せます。
お客様にとって忘れられないお店になるのです。

(3)バースデイカードの発送

お客様の誕生日に合わせてバースデイカードを発送します。
このような気遣いも喜ばれます。なにかプレゼントや優待を用意するのも良いですね。

(4)ニュースレターの発送、WEBへの誘導

定期的にお店の営業日カレンダーや、新メニューのお知らせ、店長のコラムなどを載せたニュースレターを発送します。
こちらはWEBも活用したいところです。
メールアドレスを頂いて、定期的なメールニュースや、お店のホームページやブログ、SNSに誘導するという方法も効果的です。

(5)お客様の大切な日に関わるご案内の発送

「大切な日」に向けてDMを発送します。
結婚記念日や、お子様の誕生日。お客様の特別な日に何らかの形で関われるということは嬉しいことですし、大切な日に関わったあなたのお店はお客様の信頼を得ることができます。

入会申込書に、「あなたの大切な日」を記入する欄を作り、「あなたの大切な日に特別な○○を差し上げます」と入れておきましょう。

接客時の会話の中で知り得た情報を顧客カルテに書き留めておくのも良いでしょう。

―DM活用編―

セールやキャンペーンを行う前に、顧客カルテを活用してお客様の来店回数や来店間隔、購入金額や、購入商品の内容に合わせたご案内をすればDMの反応率がアップします。
DM活用テクニックをご紹介します。

(1)得意客に対する特別ご招待イベント

来店回数や、購入金額の高いお客様をピックアップしましょう。
そのお客様はあなたのお店にとって最も大切な客層です。
また実績が示す通り、あなたのお店のファンであり、品揃えやサービスに満足しているお客様ですから、こだわりの商品を集めたイベントや、新商品をいち早くご紹介、という形のイベントをご案内してはいかがでしょうか。

逆に、まだ得意客になっていないお客様には、割引や安価な商品を目玉にしたイベントのご案内の方が効果的な場合があります。

(2)離反客へのフォロー

最終来店日を元に、長い間来店がないお客様をピックアップしましょう。
以前は来店頻度が高かったのに、しばらく来店されていないお客様は何らかの事情が発生している可能性があります。
この様なお客様に闇雲にDMを打つよりは、メンテナンスのお知らせや、ご機嫌伺いで反応を見るのも一つの手です。
コストの低いメールなどを活用するのも良いですね。

(3)特定の商品をお買い上げのお客様へのアプローチ

購入商品の履歴が残っていれば、例えば特定のブランドをお買い上げのお客様だけにご案内することが可能です。
購入履歴が示す通り、そのブランドが好みのお客様にご案内するのですから、当然反応率も高くなります。

いかがでしょう?あなたのお店で試せる事例は見つかりましたか?

おわりに

今回の記事でご紹介したカードの活用例は、中小規模店舗を応援する為のものです。

前述したように、中小規模店舗には、大型店にできない戦い方があるはずです。
独自の強みを生かした差別化や、お客様ひとりひとりに目を向けた店舗経営をしているお店が生き残っていくと思います

ある統計によれば、

  • 年商の80パーセントは全体の20パーセントの優良顧客の売上で構成されている。
  • 新規客獲得のコストは、既存客維持のコストの5倍から10倍かかる。

とされています。

このような数字から見ても、あなたのお店の活路は、
「たくさんあるお店の中からわざわざあなたのお店を選んで来て下さったお客様」を大切に育んでいくことではないでしょうか。

お客様の満足度が上がり、「私、このお店が好きだ」と思ってくださるファンばかりが集うお店になれば、オーナーや従業員のやりがいや、モチベーションアップにつながっていくと思います。

もちろんそれが、お店の利益アップにつながることは言うまでもありませんね。

そう、これは、広告宣伝費を大幅に減らして売上を伸ばす工夫でもあるのです。
「会員カードを活用して販促につなげたい」という意欲あるあなたには、是非この記事の内容を参考にして頂きたいと思います。

プラスチックカード印刷専門店
株式会社バズ・プランニング
代表取締役・中小企業診断士
中嶋健太

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